文科省が一斉に行う全国学力調査が実施されました。今回は小学6年生の国語と算数、中学3年生の国語と数学です。生徒たちは自分の答えが合っていたかどうか気になるようで、その日のうちに塾に持ってきて私も解かされました。
中3国語の問題を見ると、本文に出てくる「片端から」「普遍性」という言葉が読めてその意味と使い方を理解しているのか、怪しい気がします。それがわかっていないとどう答えていいのか手探り状態でしょう。高校生の英語の指導で、単語力+文法力=長文読解力と説明しますが、日本語の読解力をつける上でも同様です。
数学では日常生活のなかで使う場面を取り入れた問題を作ってそれについて考えさせるという方針のようですが、なぜそこに必ず会話形式の問題文を持ってくるのかがわかりません。中3数学に優真さん、小6算数にゆうまさんが登場しますが、いったい誰なのかつい気になってしまいます。赤ちゃんの名づけランキングでトップという訳でもなく、その理由は未だに謎です。こういう余計なことを考えると時間内に解き切らないですが、ネット上で偽の情報(フェイクニュースなど)にだまされないようにするだけでなく、ページビューを稼ぐために“盛っている”余計な情報に振り回されないような訓練だと思えばいいのかもしれません。結局は言語的処理能力の差が算数・数学の問題でも出てしまうのではないでしょうか。何を聞かれているのかを理解する手前であきらめてしまったり、あてずっぽうで答えたりした人も少なからずいたと思うからです。いずれにしろ、言葉からヒントをもらい、そこから解を導き出すという練習はこれからずっと必要なことです。
先日の卒業ライブの時に「来年はこの曲をやってよ」とリクエストのあったRADWIMPSの「正解」の歌詞を紹介しておきましょう。「答えがある問いばかりを教わってきたよ♪だけど明日からは僕だけの正解をいざ探しに行くんだ…だから採点基準はあなたのこれからの人生。ようい、はじめ!」