ベルゲン通信1月号「10年後には」

 年の初めに未来のことを考えてみましょう。よく話題に上る“将来なくなってしまう職業”についての話です。先日、もとは県立高校の校長先生で現在は千葉大学特任教授の方とお話しする機会がありました。その中で印象に残っているのが、「10年後にも残っている職業にYouTuberはないかもしれない。」という言葉。中学生のなりたい職業№1であるYouTuberと呼ばれる人たちを否定する意味ではなく、さらに進化して別の形になっているのではないかという予想です。この10年での情報やエンタメの変化を考えれば、この先10年でさらなる変化がやってくる可能性は大いにあります。今後はますますそういった価値観の変遷のなかで自分を見失わずに対応していかなければならないでしょう。変わるもの、変わらないもの、形を変えて受け継がれていくもの、それらを見極めていきたいものです。

 さて、大学受験に向かう高3生たちは堅実に将来の自分を考えながら大学とその学部選びをしています。すでに総合型選抜で千葉大や県立保健医療大からそれぞれ内定を得た人たちもいます。もちろん大学入試は情報戦略が重要となってくるのでいろいろアドバイスをしていますが、大切なのはこれからの学びのなかで変化に対応できる芯となる部分だと思います。迷ったり思案したりしながらも自分で判断できる力です。その一つが条件を整理し論理的に解を導き出す力であり、その養成には中学・高校の数学の勉強が役に立ちます。ただ問題を解ければいいのではないのです。国語においては考え抜いたこと、イメージしたことを言葉で他者に伝える力を地道に養っていきましょう。それらはきっと10年後でも必要とされる力であり、変わらぬ価値を持ったものに違いありません。

 すでに2年後には月面着陸、7年後には月の基地の建設が計画されています。学校は違っても冬期講習という同じ学びの場を楽しく過ごしている小学生のみなさんが大人になった10年後には、宇宙での仕事も夢ではなくなる日が来ているかもしれません。